自殺流れ星説16

こんな事なら、何か食べておけば良かったなとか、最後の晩餐は選べなかったなとか、通ってきた壁なんかにかかってるキリスト教の抜粋文言なんかを、頭に描いていた。

 

キリストは罪を被る為に十字架を背負った。

死はなんちゃら、なんだったかな…なんて。

 

俺に報いはあっても、救いは無いだろうな、そんな風に力を抜いて5分くらい経った頃、急に声を掛けられた。

 

「救急車呼ぶか!?」

 

え…?誰…?

意識が朦朧としていた…

その一声に返答出来ないまま、また誰かが話しかけてくる。

 

「大丈夫か!?」

 

「あ…あ…あ、はぃ…」

 

「とりあえず飲み物欲しいか!?」

 

「く…ください…すいませ…」

 

本当こんな感じの会話だった。

声も上手く出ない。ベタつく体がやたらと重い。

何が何だかわからないまま、ここじゃ危ないから少し戻りなさいとの指示に、ふらふらと歩き出す。

その誰かは自転車までも運んでくれた。