自殺流れ星説11
その本能的空腹が待ったをかける。
自分で自分の頭を本気で殴る。
果たしてそんな事は可能だろうか?
仮に殴れても、たんこぶも出来やしないだろう。
そんな風に考えていた。
その考えに心底歯向かうように、フルパワーで頭を殴った。
強烈な激痛が走る…
殴った手も、殴られた額も、同じように痛む。
しかし何故か、別々に痛み出した。
それが絶望と活力の違いに気付いたのは、つい昨日だった。
それから俺は、自殺の方法を考える。
先に言っておくが、俺は運命論者的な哲学を持っている。
簡単に言うと、もしこうだったら、こうなる運命だったと、極端に割りきってしまう所がある。
例を挙げると、好き同士の恋人と別れる事になったのは、そういう運命だった、と決め付ける事で無理矢理解釈させようとする考え方だ。
運なんかもそうだろう。
運が無い星の下に産まれた、ただそれだけだ。
そうやって何でも割り切ろうとする。
でも、なんだかんだで割り切れていないんだけど、そうやって無理矢理強制しようとする自分がいる。
言い訳をしたくないだけなのかも知れない。
だから結果こうなると予測出来る事は、しない事の方が多い性分だ。
だから、手首を切ろうとか、練炭をしよう、なんて事は自殺の方法で選ばない。
それを踏まえて、自転車でひたすら遠くまで行ってみようと考えたんだ…