AI 戦う
よっしゃ、今日からAIロボットをボコボコにしてやろう。
まず、電源を抜く。
お仕舞い。
それでも駄目だったら。
セーフティモードにして金属バットを用意する。
手がジンジンして失敗したら。
水を用意します。
が、駄目。
なら自分を殺しましょう。
お仕舞い。
これでAIに勝てます。
ただ、負け組です。
でも、これでいい。
これが唯一の正解だ。
だって勝てないのだから。
時代は突き付けてくるのかな?
そんな厄介な物を。
勝てないと分かっている優れものを。
待ったなんか掛けれないよね、一般人ではさ…
でも産まれちゃうのはしょうがない。
インターネットの時もそうだった。
スマホの時もそうだった。
あの時はあんなに便利だったのに…
なんでこんな簡単な事に気付かなかったんだろう…
どうしてあの頃の一般人は、それらを否定してくれなかったんだろ…
何を言ってもしょうがない。
あの頃最先端で活躍していた事業家達も、今では立派な大戦犯扱いだ。
教科書にも載っている。
ヘラヘラ笑って映った写真。
生きてない事を良いことに…今の世の中を嘲笑っているかの様だ…
外は今日も、AIロボットが歩いている。
まだ手がジンジンするよ。
僕らの平均はどれも下がる一方だ。
それは世界の利便性と反比例している。
それを今突き付けられた所で、この速度が落ちる事は無い。
僕はスマートフォンを睨み付ける。
それでも便利な事から目を背けられない自分がいる。
便利だからこそ目を向ける。
人はどこまでいくのだろう。
このAIロボットは、どうやったら壊せるのだろう。
多分、両方答えは同じだろう。
仮に僕がそれを止めても、壊せたとして、また勝手に突き付けられる。
その限度も、その在り方も…
かあさん、壊してあげられなくてごめんね…
いくら便利になろうとも、人の願いが叶う事は無い。
だから、便利を求めるのだと思う。
壊れないから便利であり、限りがないから便利だと…
そうやって、世界が便利になればなるほど…
便利から遠ざかると言うのに。
結局、終焉を早く迎えたいんだ。
人間という奴は。
うん、でもかあさんだけは必ず壊してから死のうと思う。
もう僕も今年で3000才を越えた。
生きると言うのは大変な事だった。
外の彼らも同じように思っているだろう。
あーして、何する訳でもなく、ひたすら歩いているだけなのだから。
次、生まれ変わる事が出来たなら。
今度はちゃんとした教科書の中の人間になりたい。
寿命があって、限りがあって、便利を便利と感じれた時代に産まれ、その未来を見据えられるような、そんな人間社会の人間として…
それまでに後何年かかるかわからないけど…
とにかく今はAIロボットと…自分自身と…戦うしか無い…
誰かが書いた昔の記事を沢山調べながら。
それからここに記して。
もう、誰もこの歴史を繰り返さないように。
便利な言葉を並べる所から、伝えてあげようと思った。
だから届いてくれ…
これを読む何万年も前の誰かへ…